レポート

<号外>「日本海溝・千島海溝沿いで発生する最大クラスの地震・津波の推計結果について」

2020.4.1

要旨

  • 日本海溝・千島海溝沿いで発生する最大クラスの地震・津波の津波高、浸水域、震度分布の推計結果等が2020年4月21日に公表された。
  • 最大クラスの地震・津波の発生が切迫している状況にあると考えられており、企業が地震対策を推進する上で避けては通れないシナリオと言える。
  • 今回公表された推定結果や、今後検討される人的・物的被害や経済被害等の推計結果をもとに、自社の地震・津波対策を改めて見直すことが重要である。

1. 本稿の概要

2020年4月21日に内閣府の日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会(以下、本検討会)から「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデルの検討について(最終報告)」(以下、最終報告)が公表された。 当該領域では図1のようにマグニチュード(以下、Mと表記)7やM8を超える地震により大きな被害が幾度となく発生している。このため、過去に発生が確認されている地震を対象として策定された 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」(2006年3月)等に基づき防災対策が推進されてきたが、従来の想定をはるかに超えるM9.0の東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)により甚大な被害が発生した。 この教訓を踏まえ、中央防災会議の専門調査会の報告(2011年9月)にて「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大地震・津波を検討していくべき」と提言された。

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