レポート

<号外>「台風19号の被害について」

2019.10.1

2019年10月12日から13日にかけて、台風19号による猛烈な風と大雨により、各地で河川の決壊や土砂災害による甚大な被害が発生しました。被害に遭われた皆様には、心からお見舞い申し上げます。本稿では、今回の台風被害の概要や企業活動への影響について取りまとめました。
なお、本レポートは2019年10月16日17時現在の情報に基づいて作成しています。

1. 災害の概要

(1) 気象概況 -急速な発達。箱根町など69箇所で降雨量の最大値を更新-

台風19号(以下「本台風」)は10月6日に南鳥島近海で発生し、7日から8日にかけて中心気圧が915hPaへと急速に低下し、大型で猛烈な台風に発達した。その後、日本列島の南海上から徐々に北上し、12日19時前に中心気圧955hPaの大型で強い勢力で伊豆半島に上陸、関東地方を北東方向へ通過し、13日未明に東北地方の東海上へ抜けた。今回の台風では、24時間で急激に発達する「急速強化」が起きたことに加え、非常に強い勢力が上陸の2時間前まで継続されるといった特徴がみられた。一般的に、台風は海水から供給される水蒸気によって発達するため、台風が通過する海域の海水温が高いほど発達しやすい。今回の台風19号が通過した太平洋海上では平年と比較して海水温が1~2℃程度高かったため、急速強化や勢力の継続につながったとみられる。

また、気象庁や各地の気象台からは台風上陸の3日前より警戒が強く呼びかけられていたことに加え、台風上陸の前日には過去の顕著な雨台風(風による被害は比較的小さく、雨による被害が大きい台風)の事例として1958年の狩野川台風との類似性が取り上げられ、各地で大雨による甚大な被害が発生する可能性が示唆されていた。

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