レポート

ESGリスクトピックス 2022年度 No.8

2022.11.1

<気候変動>
米ニューヨーク州、2035年までにゼロエミッション車以外を販売禁止へ

2022年9月29日、米ニューヨーク州のホークル知事は州環境保全局に対し、同州で販売されるすべての乗用車、ピックアップトラック、SUVの新車を2035年までにゼロエミッション車(ZEV)にすることを義務づける規制方針を公表した。そのマイルストーンとして、新車販売に占めるZEV比率を2026年に35%、2030年に68%、2035年に100%と設定している。規制案は今後、ウェブサイトに掲載され、パブリックコメントや公聴会などのプロセスにかけられる見通しである。

(参考情報:2022年9月29日付Governor Hochul Drives Forward New York's Transition to Clean Transportation

<ビジネスと人権>
政府の企業向け人権尊重ガイドラインが確定、取り組み目的は侵害防止を強調

政府が企業の人権尊重取り組みを推進するため策定を進めていた「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」が、意見募集で寄せられた指摘の反映作業などを終えて内容を確定し、9月13日公表された。構成および主要な内容は、今年8月公表の原案から大きな変更はないが、ガイドラインの趣旨の明確化や具体例の提示などで追記・修正がなされた(8月公表のガイドライン案の概要は、ESGリスクトピックス<2022年度第6号>を参照)。

(参考情報:2022年9月13日付経済産業省HP

<人権>
世界の「強制労働」総計2800万人、5年で300万人増加、ILOなどが推計公表

2022年10月1日、出生時育児休業(産後パパ育休)が施行された。本制度は男性の育児休業取得を促進することを目的として、育児休業取得ニーズが高い子どもの出生直後の時期に、これまでの育児休業よりも柔軟で休業を取得しやすい枠組みとして創設された。出生時育児休業の概要は以下の通り。

(参考情報:2022年9月12日付国際労働機関HP

<ガバナンス>
「G20/OECDコーポレートガバナンス原則の見直し」の公表について

2022年9月21日、OECD(経済協力開発機構)のコーポレートガバナンス(以下、CG)委員会は、『G20/OECDコーポレートガバナンス原則の見直し』(原題:The Review of the G20/OECD Principles of Corporate Governance)を公表した。CG委員会は、パブリックコメントや他の委員会との協議を踏まえて最終的な改定案とし、2023年中にOECD理事会の採択及びG20の承認を目指すとしている。

(参考情報:2022年9月21日付OECD HP

<EUサプライチェーン>
欧州委員会 緊急時における単一市場保護のための措置案を発表

2022年9月19日、欧州委員会は、「緊急時における単一市場保護のための措置」案(Single Market Emergency Instrument(SMEI))を発表した。
本案策定の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響下において、単一市場であるEUで生じた物流の停滞やサービスの供給不足、サプライチェーンの混乱がある。SMEIは、今後このような問題が発生した際に、EU域内における必要性の高いモノの流通やサービスの供給を滞らせないよう、ルートを確保・維持するための措置である。

(参考情報:2022年9月19日付ProposalforaREGULATIONOFTHEEUROPEANPARLIAMENT AND OF THE COUNCIL、2022年9月19日付欧州委員会HP

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