レポート

ESGリスクトピックス 2017年度 No.12

2018.3.1

国内トピックス2017年12月~2018年1月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<労働慣行>
厚生労働省、「柔軟な働き方に関する検討会」報告書を公表。テレワーク、副業・兼業について方針示す

(参考情報:2017年12月25日付 厚生労働省HP)

12月25日、厚生労働省の「柔軟な働き方に関する検討会」は検討結果をまとめた報告書を公表し、雇用型テレワーク、自営型テレワーク、副業・兼業等についての指針を示した。今後、同省は、これらのテーマに関するガイドライン等の策定・改定を実施する。

<SDGs>
SDGs推進本部が、第1回「ジャパンSDGsアワード」の結果を公表

(参考情報:2017年12月26日付 同推進本部HP)

SDGs推進本部*は、第1回「ジャパンSDGsアワード」(以下、本アワード)の受賞企業・団体を公表した。

本アワードは、SDGs達成に向けた優れた取り組みを行う企業・団体を選定し表彰する制度で、今年度新たに創設されたもの。評価項目は、「普遍性」「包摂性」「参画型」「統合性」「透明性と説明責任」の5項目で構成され、280を超える応募者の中から、12企業・団体が第1回受賞者として選定された。

<CSR>
花王が被災時を想定した清潔情報サイト「そなえーる」を開設

(参考情報:2018年1月12日付 同社HP)

花王は1月12日、災害時を想定した普段からの備えや、災害時に役立つ知識、心がけたい清潔情報などを紹介する自社の公式ウェブサイト「そなえーる」を開設した旨を発表した。

同社グループは、これまでの被災地支援活動を通じて、地震や異常気象などの災害時に、家族や生活等を守るためには、「日ごろから備える防災」が重要であるとの認識の下、社内プロジェクトを組成。同プロジェクトを通じて、有識者へのヒアリングや被災した同社グループ社員へのアンケートなど、様々な調査と検討を重ねてきた。今般、その結果を踏まえて、同社グループの事業活動の原点である「清潔」をテーマに、防災対策に役立つ物品や工夫などの有用な情報を提供することを決定した。

<情報セキュリティ>
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「情報セキュリティ10大脅威2018」を発表

(参考情報:2018年1月30日付 同機構HP)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は1月30日、情報セキュリティにおける脅威のうち、2017年に社会的影響の大きかったトピックなどを選出し、順位付けした「情報セキュリティ10大脅威2018」を公表した。

「個人」「組織」あわせて20の脅威のうち、16の脅威が昨年に引き続きランクインした一方、「個人」では「偽警告」が、「組織」では「ビジネスメール詐欺」「セキュリティ人材の不足」が初めてランクインした。

海外トピックス2018年1月に公開された海外のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<ESG投資>
国連責任投資原則(UNPRI)が署名機関の最低要件を2020年までに導入すると発表

(参考情報:2018年1月4日 国連責任投資原則HPなど)

国連責任投資原則(United Nations Principles for Responsible Investment、以下UNPRI*)は、運用資産総額の半分以上をESG投資に割り当てることなどを求める最低要件を2020年までに導入すると発表した。同原則に従った運用の実践を表明する署名機関のうち「invest manager」(投資顧問)と「asset owner」(機関投資家)が適用の対象となる。

最低要件は全3項目で、上記のほかに責任投資の実践の担当者(専任でなくても可)の設置とその実践に経営レベルが関与し責任を担う体制の確立が求められる。

<リスクマネジメント>
世界経済フォーラムが「グローバルリスク報告書2018」を公表

(参考情報:2018年1月17日付 同HP)

世界経済フォーラムは1月17日、グローバルリスク*に関する影響度と発生可能性を分析した「グローバルリスク報告書2018」を発表した。世界経済フォーラムは毎年、ダボス会議に合わせて同報告書を発表しており、今回が13回目となる。

同報告書では、世界の約1000名の専門家および政策決定者に対して実施されたアンケート調査の結果が示されている。アンケートは、30種類のグローバルリスクが提示されたうえで、各リスクの発生可能性および影響度について回答するものである。

<リスクマネジメント>
米トレッドウェイ委員会組織委員会と持続可能な開発のための世界経済人会議がESGリスクをERMフレームワークに統合させるための手法を公表

(参考情報:2018年1月23日付 WBCSDホームページより)

米トレッドウェイ委員会組織委員会(以下、COSO)と持続可能な開発のための世界経済人会議(以下、WBCSD)は1月23日、ESGリスクをCOSOの提唱するERMフレームワークに統合させるための手法を公表した。

世界経済フォーラムが発表した「グローバルリスク報告書2018」によると、企業を取り巻くリスクはこの10年で様変わりし、ESGに関連するリスク(特に環境リスク)が上位を占めるようになった。同リスクにどのように対処するかが企業にとって重要なテーマとなっている。

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