レポート

ESGリスクトピックス 2015年度 No.10

2016.2.1

国内トピックス2015年12~2016年1月に公開された国内のCSR・ERM 等に関する主な動向をご紹介します。

<労働慣行>
リクルートホールディングスが全ての従業員を対象としたリモートワーク制度を本格導入

(参考情報:2015年12月24日付 同社HP)

リクルートホールディングスは12月24日、雇用形態にかかわらず全ての従業員を対象とした、上限日数のないリモートワーク*制度を2016年1月より本格導入すると発表した。

同社は同制度を「ライフステージやその時々の仕事の状況に応じ柔軟な働き方を誰しもが選択できるための施策」と位置づけ、制度の導入にあたっては、育児や介護などの特別な事情を持たない従業員、派遣社員なども対象とした。

<情報管理>
経済産業省が「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を公表

(参考情報:2015年12月28日付 同省HP)

経済産業省は12月28日、独立行政法人情報処理推進機構と共同で策定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を公表した。

様々なビジネスの現場において、ITの利活用は企業の収益性向上に不可欠なものとなっている一方、企業が保有する顧客の個人情報や重要な技術情報等を狙うサイバー攻撃は増加傾向にあり、その手口は巧妙化している。そこで、企業戦略として、ITに対する投資やセキュリティに対する投資をどの程度行うかなど、経営者による判断が必要となる。

<健康経営>
経済産業省と東京証券取引所が「健康経営銘柄2016」を発表

(参考情報:2016年1月21日付 同省HP、日本証券取引所グループHP)

経済産業省と東京証券取引所は1月21日、「健康経営銘柄2016選定企業取組レポート」を発表した。

従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に企業の収益性等を高める投資であるとの考えの下、従業員等の健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に取り組むこと」と定義づけた上で、戦略的に健康経営に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として昨年度から選定している。

海外トピックス2015年11月~12月に公開された海外のCSR・ERMに関する主な動向をご紹介します。

<CSR>
AccountAbilityがステークホルダー・エンゲージメントの国際基準AA1000SES(2015)を公表

(参考情報:2015年11月17日付 同団体HP)

アカウンタビリティに関する国際基準を発行している英国のNGO「AccountAbility」は11月17日、改定を進めていたステークホルダー・エンゲージメント*に関するフレームワークのAA1000 Stakeholder Engagement Standard(AA1000SES)2015を公表した。

AA1000SESはAA1000**シリーズの一つで、効果的なステークホルダー・エンゲージメントの計画、実践、評価、そしてコミュニケーション手法に関する実用的な手引きとなっている。

<人権>
ネスレがタイのサプライチェーンにおける労働者の人権確保のためのアクションプランを公表

(参考情報:2015年11月23日付 同社HP)

スイスの食品大手ネスレは11月23日、タイのシーフードサプライチェーンにおける強制労働などの人権侵害防止に向けたアクションプランを公表した。

タイの漁業においては、強制労働や虐待などの行為が行われている可能性があるとの懸念から、同社のサプライチェーンにおける実態を把握するとともに、労働者の保護・労働条件の向上を図ることを目的として、本アクションプランが作成された。

<地球環境>
欧州委員会がEUの循環型経済の実現に向けた新提案を採択

(参考情報:2015年12月2日付 欧州委員会HP)

欧州委員会は12月2日、循環型経済*の実現に向けて、廃棄物の発生抑制やリサイクルに関するEU共通の枠組み構築のための新提案を採択し、発表した。

EUは、成長戦略「EUROPE2020」で掲げる優先課題の1つ「持続可能な経済成長」を実現するため、資源の効率的な利用を志向している。その実現に向けて、欧州委員会は2014年7月2日に、従来の廃棄物枠組指令における廃棄物の発生抑制やリサイクルに関する主要目標の見直し等を含む提案を一度は採択したが、実現可能性や昨今の国際的な議論の方向性等を踏まえて再検討し、改めて提案が行われたもの。

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