レポート

ESGリスクトピックス 2015年度 No.8

2015.12.1

国内トピックス2015年9~10月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<社会貢献>
ファーストリテイリングが難民支援プロジェクト「1000万着のHELP」を実施

(参考情報:2015年9月29日付 同社HP)

ファーストリテイリングは9月29日、世界16ヶ国・地域のユニクロおよびジーユー全店舗で不要となった両ブランドの衣料を回収し、難民・避難民に寄贈するプロジェクト「1000万着のHELP」を実施すると公表した。さらに全世界の同社従業員からも不要になった衣料を回収し、計1000万着の回収を目指す。回収した衣料は同社がグローバルパートナーシップを結ぶ国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)および国際NGOを通じて、難民・避難民に送られる。

<個人情報>
経済産業省が「データに関する取引の推進を目的とした契約ガイドライン」を公表

(参考情報:2015年10月6日付 同省HP)

経済産業省は10月6日、ビッグデータの利活用に関するビジネスの契約締結時に留意すべきポイントをチェックリスト形式で整理した「データに関する取引の推進を目的とした契約ガイドライン」を公表した。

近年、分野・組織の壁を越えてビッグデータを利活用することで新規ビジネスの構築を図る事例が増えている。このような分野・組織を超えたデータの取引にあたってデータを保有する事業者とデータの提供を受ける事業者が交渉すべき内容は多岐にわたるが、現在は取引の先行事例が少ないため、その判断材料となる指標等も少ない。

<労働慣行>
ボッシュ日本法人が「一般在宅勤務制度」を導入

(参考情報:2015年10月16日付 同社HP)

ボッシュ日本法人は10月16日、これまでの育児・介護や傷病に伴う在宅勤務制度の対象を拡大した「一般在宅勤務制度」を11月1日から導入すると発表した。同制度は、希望日の前日までに上長による承認を受ければ、育児・介護や傷病を理由とする場合でなくとも、月40時間を上限として部分在宅、終日在宅の何れも認められるものである。

同社では、ダイバーシティ推進活動の一環として「在宅勤務研究会」を設置し、従業員自身が同研究会を通じて他社や海外のボッシュグループの制度などを研究して同制度を提案した。

海外トピックス2015年9~10月に公開された海外のCSR・ERMに関する主な動向をご紹介します。

<地球温暖化>
CDPとWe Mean Businessが効果的なカーボン・プライシングの設計に向けたツールキットを公表

(参考情報:2015年9月24日付 CDP HP)

カーボンディスクロージャープロジェクト(Carbon Disclosure Project以下、CDP)*およびWe Mean Business**は9月24日、政府や企業、投資家らによるカーボン・プライシング制度***の議論を促すためのツールキット、"The Carbon Pricing Pathways Toolkit"を公開した。

同ツールキットは、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の世界的な排出量低減に向け、同制度における炭素価格の設定に関する知見を提供している。概要は以下の通り。

<地球温暖化>
グローバルに事業展開する食品メーカーのCEOらが各国政府へCOP21でのCO2削減目標に関する国際合意を要請

(参考情報:2015年10月1日付 CERES HP)

マース、ユニリーバ、ベン&ジェリーズ、ゼネラル・ミルズ、ダノン、ケロッグ、ネスレなどグローバルに事業展開する食品メーカー10社のCEOらは10月1日、自国(米国)ほか各国政府宛の書簡において、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)でのCO2削減目標に関する国際合意を要請した。

同書簡の中でCEOらは、企業として「自社のサステナビリティ活動の更なる拡大」、「他企業との協働」、「実現可能なCO2排出削減量の目標設定への注力」など、自社の温暖化対策の強化を誓約するとともに、各国政府に対して、本年12月開催のCOP21で、京都議定書に続く2020年以降の温暖化対策の枠組みに関し、各国の提出するCO2削減目標*を踏まえ、合理的な水準での国際合意を得るよう要請している。

<CSR>
ネスレネスプレッソが南スーダンのコーヒー産業の再建を支援

(参考情報:2015年10月7日付 同社HP)

コーヒー大手のネスレネスプレッソ社は10月7日、今般新たに南スーダン産のコーヒーの取扱いを開始すると発表した。

同国は、以前はコーヒー産業が盛んであったものの、長年の内戦により産業が崩壊し、収入源を石油輸出のみに依存する状態であった。今回の同社の取扱い開始により、同国は、2011年の独立以降初めて石油以外の主要な輸出品を確保することとなる。

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