レポート

2022年度 No.2「RTO設備の火災・爆発リスク分析・予防対策」

2022.9.1

要旨

  • 近年、中国ではRTO設備(蓄熱式燃焼設備)に関連する爆発事故が散見されており、地方政府が大きな関心を寄せている。
  • 自社におけるRTO設備の日常的な稼働に伴う安全リスクを十分に把握・理解していないと、対応に遅れが生じ、事故に至る可能性がある。
  • 本稿では、RTO設備の仕組み、よく見られる事故事例、事故防止対策について説明する。
  • 本稿の内容を通じ、企業における設備稼働ルールの標準化、操作ミスの低減、事故発生確率の低減を推進いただきたい。

1. RTO 設備の仕組み

現在、有機排ガス処理設備には、RTO設備、RCO設備(触媒燃焼設備)、直接燃焼/酸化設備、活性炭吸着設備などの種類がある。そのうち、RTO設備は、30年以上前から有機排ガス処理に使用されており、工業用VOCs(揮発性有機化合物)処理の主流技術の1つに該当する。また、当該設備は高い処理効率(一般的には95%以上)を示し、二次余熱回収や安定操業が可能であるという利点を有することから、近年では石油化学、塗装、印刷、医薬などの分野で幅広く使用されている。

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