レポート

2016年度 No.3「インドネシアの洪水シーズンに備えて」

2016.12.1

本号は、一般に公開されているデータと資料を踏まえ、インドネシアの首都ジャカルタ周辺の洪水リスクについて概要を説明し、今後の備えの参考にして頂くことを目的として作成されたものです。

1.インドネシアの概要

インドネシアは日本の約5倍の国土面積を持ち、赤道直下の熱帯性気候に属しています。インドネシアには乾季と雨季のふたつの季節があり、おおむね5~10月が乾季で、11~4月が雨季になります。(【図1】【図2】を参照)

インドネシアで発生している自然災害に関して、EM-DATに登録されている1990年~2014年のデータを基にして作成したデータを【図3】【図4】に示します。

2004年スマトラ沖地震の影響等により地震・津波による被害者数が多く発生している一方で、自然災害の発生件数を見ると、洪水が多く発生していることが分かります。

2.インドネシアの河川の概要

ジャワ島を含めてインドネシア国内には数多くの河川が存在しており、1990年時点で本川として少なくとも5,187の河川が確認されています。また、2次から5次の支川も含めると、河川数は66,028以上になります。1

河川は流域住民の農業や生活、事業活動に重要な役割を果たしており、インドネシアでは雨季と乾季の水需要ギャップへの対応のため、ダム建設等による水資源開発を推進しています。また、河川は雨水を内陸から海へ排水するという役割も担っています。

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