レポート

2015年度 No.1「グローバル・バリュー・チェーンと東南アジア地域における事業継続に関する取組み」

2015.5.1

本号は、アセアン各国における事業継続にかかるリスクや動向について、一般に公開されているデータと資料を踏まえて、今後の備えの参考にして頂くことを目的として作成されています。既にアセアンで事業を展開されている企業の皆さま、そして今後アセアンへの海外展開を検討されている企業の皆さまにとって、本号が事業運営におけるリスクの再整理、さらにはインフラの確保から事業の発展に至るまで、いささかでもお役に立てば幸いです。

1.グローバル・バリュー・チェーンとリスク

(1) グローバル・バリュー・チェーン

海外にいても日本とインターネット回線を通じた無料通話や無料ビデオ通話が可能になったり、クラウドコンピューティングによって世界中で情報を共有化できるようになるなど、通信技術やPC・スマートフォンに代表される通信機器の発達により、国や組織間をまたいで複雑な事業活動を行うコストが大幅に低下しました。

また、製造業に関しては経済連携協定(Economic Partnership Agreement)や自由貿易協定(Free Trade Agreement)が進展して貿易当事国間の関税が低下するなど、製造・物流コストの更なる低下が進んでいます。メーカーなどは各国の比較優位の観点やリスク分散の観点、消費地への地理的距離の観点から、製造拠点などを世界各国に分散させて運営するようになりました。

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