レポート

2014年度 No.5「アセアン(ASEAN)の自然災害リスクの特徴と実態」

2015.3.1

1.はじめに

日本では2014年、2月の大雪・暴風雪から始まり、7月~10月の度重なる大型台風の上陸、8月の豪雨に伴う土砂災害、9月の御嶽山の噴火、11月の長野県北部地震、そして、12月の大雪・暴風雪に至るまで、甚大な被害をもたらし尊い人命を奪う大災害が次々と発生しました。一昔前ではあまり見られなかった極端な気象現象が増加傾向にあり、「異常気象」に分類される災害が相次いでいます。

同様にASEAN(東南アジア諸国連合)各国でもスーパー台風の襲来や集中豪雨による大洪水から少雨・干ばつまで、異常気象といわれる自然災害が確実に増加しており、進出企業の事業の継続を脅かしています。

本号は、アセアン各国における自然災害リスクについて、一般に公開されているデータと資料を踏まえて客観的に捉え、危険度の高い地域と特徴を改めて認識の上、今後の備えの参考にして頂くことを目的として作成されています。既にアセアンで事業を展開されている企業の皆さま、そして今後アセアンへの海外展開を検討されている企業の皆さまにとって、本号が災害の影響を受けにくい体制の構築、さらにはインフラの確保から事業の発展に至るまで、いささかでもお役に立てば幸いです。

2.アセアン各国の自然災害の概況

アセアン各国は東南アジアという同じ地域に属しているとはいえ、ご承知のとおり政治・経済から歴史・文化、民族・宗教に至るまで、国によってその様子は大きく異なります。各国では自然災害の状況も大きく異なり、災害列島/災害大国と呼ばれる日本と同じように地震・津波、台風が発生しやすいフィリピンやインドネシアから、自然災害の発生が比較的少ないとされるシンガポールまで、様々な特徴が見られます。

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