リスクマネジメント用語集

風力発電

風力発電所は、主に風力発電機、運転監視施設、変電所、送電ケーブルなどから構成される。大型風力発電機の典型的な構造は基礎の上に中空のタワーがあり、タワー上に発電機などを格納したナセルと3枚のブレードとハブからなるロータが組まれる。ブレードが風を受けることによって、ロータが回転し、風向・風速計に従って、ナセルとタワーの間にあるヨー駆動装置が、風車の正面が風上側に向くように制御する。

1~2メガ(メガは百万)Wの風力発電機の場合、一般的にタワーの高さは60~80m、ロータ直径は60~90m程度である。ブレードは軽くて強度の十分な材質である必要があるので、中空構造になっており、ガラス繊維強化プラスチックが使用されていることが多い。

定格風速(最も効率的に発電機を回転させる風速)を超える風速の場合には、風を逃がして出力を制御し、設備への負荷を避ける必要がある。出力制御の方法には、主にピッチ制御とストール制御が挙げられる。ピッチ制御は、風速に応じてブレードのひねり角を変えることにより、出力を制御する方法である。一方、ストール制御はブレードの形状によって、風速が一定以上になると失速現象が起こることを利用した方法で、一定以上の強風(カットアウト風速)の際には、安全のために風車を停止させる。ナセルの内部には、ギアボックス(増速機)、発電機などがある。ロータの回転数は毎分数十回転程度だが、増速機のギア(歯車)によって回転数を上げてから、発電機に動力を伝える。ギアボックスのない構造(ギアレス)の風力発電機もある。落雷対策として、避雷器(レセプタ)がブレードの先端や中間などに付いており、導線(ダウンコンダクタ)を通じて雷電流を地面に逃がすようになっている。

【図表1】陸上風力発電機(プロペラ型アップウインド式)の主な構成要素
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