リスクマネジメント用語集

製造物責任(PL)

製造物責任(PL)は製品に欠陥があり、損害(被害)が発生した場合に、被害者が製品欠陥と損害の因果関係を立証することで、製造事業者等に対する賠償請求を可能とするものである。企業にとって、製品事故に関するクレーム件数が増加すれば、損害賠償金の支払いによる負担はもちろんのこと、損害賠償責任の有無にかかわらず紛争処理のためのコストが発生する。
また、現代の大量生産・大量販売システムのもと、ひとたび深刻なPL事故が発生したならば、広域における多数の被害者と巨額の損害賠償請求を受ける可能性が否定できない。よって、PL事故は、製品を扱う企業の経営を揺るがしかねない深刻なリスクであり、企業はそのような事故の予防と紛争処理コストの低減のために適切な対策を講じておく必要がある。重大製品事故の件数を見ると、近年は減少傾向にある。一方で、外国で製造された製品の重大製品事故の件数は、必ずしも減少傾向にはなく、重大製品事故に占める割合は増加傾向にある。

外国産製品の製品事故の中でも、最も件数が多いのが中国産であり、平成19年度以降、増加基調にあるとともに、外国産の製品事故の中で占める割合も7割から8割で推移している。

重大製品事故とは製品事故のうち、発生し、または発生するおそれがある危害が重大であるものとして、当該危害の内容または事故の態様に関し政令で定める要件に該当するものであり、具体的には死亡事故/重傷病事故(治療に要する期間が30日以上の負傷・疾病)/後遺障害事故/一酸化炭素中毒事故/火災(消防が確認したもの)をいう。

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