リスクマネジメント用語集

盗難リスク

近年、盗難犯罪は手口が巧妙かつ組織的になっており、盗難事故1件当たりの被害額が高額となる傾向にある。防犯体制が高いレベルに保たれていない事務所(店舗)が、盗難被害のターゲットとなり、思いがけず大きな損害を被る可能性がある。したがって、盗難被害にあわない、もしくは被害を最小限に抑えるためには、各種センサーをはじめとする防犯設備の設置、出入口への防犯性能の高い鍵の採用、防盗金庫の採用等の「防犯設備の強化による対策(ハード面)」と、教育・訓練等により従業員の防犯に対する意識を向上させる等の「防犯体制構築による対策(ソフト面)」が重要となる。

盗難事故が発生した場合の直接的被害のほかに、間接的被害についても考慮しておく必要がある。例えば、建物・設備の破壊行為があれば、修復費用が発生することに加え、修復するまで営業停止に及ぶこともある。また、顧客からの信用低下による売上減少につながることもあり、事業計画に影響を及ぼすおそれもある。さらに、従業員や来訪者などに危害が及んだ場合には、必要な防犯設備の設置や安全誘導などの防犯体制構築を怠ったとして、賠償責任を問われる可能性もある。

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