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メガソーラー施設の地震・日照リスク分析を開始

2012年7月30日

MS&ADインシュアランス グループの株式会社インターリスク総研(社長 近藤 和夫)は、8月1日から、大規模な太陽光発電を行うメガソーラー施設を対象とした地震・日照リスク分析を開始します。

7月1日にスタートした再生可能エネルギーの固定価格買取制度をきっかけに、メガソーラー事業へ新規参入する企業が急増しています。本サービスは、参入を検討している企業をターゲットに、当該事業におけるリスク量を試算し、参入可否の判断や保険設計をはじめとするリスクファイナンスプログラムの構築のための材料を提供するものです。

当社ならびにMS&ADインシュアランス グループは、今後も、再生可能エネルギーの普及を後押しする商品の開発を行うとともに、グループ保険会社による「メガソーラー総合補償プラン」の販売など、メガソーラー事業者への総合的なリスクソリューションサービスを提供していきます。

1.リスク分析の概要

(1)地震リスク分析

地震被害は大きく分けて、地震の揺れによる被害・地震に伴う火災による被害が想定されます。
それぞれのリスクを分析するために、以下の2つの手法を用いています。

シナリオ分析 具体的な活断層やトラフ等で発生した地震を想定し、地震が発生した場合に施設が受ける被害想定額を計算します。「どのような地震が起こったらどの程度の被害になるか」を具体的にイメージいただけます。
確率分析 考えうるすべての地震を対象に、その発生確率に応じた被害想定率(損害の程度)を計算します。結果を集約して統計的に処理することにより、再現期間ごとの推定損害額や超過損害額曲線(EPカーブ)を算出します。

(2)日照リスク分析

メガソーラー事業における収益性の目安として、対象拠点の日照時間等をもとに、日射量や発電量を推定します。

日照時間評価 年間日照時間は地形によって大きく差があります。公表されている気象・日照情報をもとに、施設の所在地付近の平均日照時間を調査し、5段階で評価します。
日射量分析 公表されている気象・日照情報をもとに、傾斜面日射量を計算します。
発電量分析 算出された日射量や外気温等をもとに、太陽光発電システムの発電量を推定し、表やグラフで表示します。

(3)分析の種類

分析には、施設の竣工図面や構造計算書等の資料に基づく詳細分析(現地調査も可)と、施設の基本情報にもとづく簡易分析があります。レポートに記載する報告項目は、お客さまのニーズに合わせてカスタマイズ(※)することができます。
※津波による被害想定額の算出等を追加することができます。

(ご参考)現地調査を行う詳細分析における報告項目例
I 施設状況 II 環境(立地)
1) 施設の基本概要
2) 現況調査(目視)による劣化状況に関する事項
3) 遵法性に関する事項
4) 修繕・更新費用に関する事項
5) 再調達に関する事項
1) 地震履歴
2) 風害、落雷等の状況
3) 有害物質調査
III リスク分析
1) 地震・津波等のリスク分析
2) 日照時間・発電量の評価

2.リスク分析の活用方法

(1)メガソーラー事業者向け

各種リスク量の試算によって、メガソーラー事業に係るリスクを認識し、参入可否の判断や準備金の積み立て、リスクファイナンスプログラムの検討等を行うための資料としてご活用いただけます。

(2)金融機関向け

不動産証券化やプロジェクトファイナンスにおいては、金融機関からの融資にあたって、第三者によるリスク分析を行うことが定着していることから、メガソーラー事業者への融資の適格性を判断するための資料としてご活用いただけます。

3.サービス開始時期

2012年8月1日

4.目標件数

年間100件

添付別紙:リスク分析における報告イメージ/「メガソーラー総合補償プラン」について

以上

本件に関するお問い合わせ先

株式会社インターリスク総研

コンサルティング第三部 吉田幸弘・鶴田庸介 TEL:03-5296-8917