コンサルタントコラム

改正道路交通法の施行に合わせた社内ルールの見直し

所属
大阪支店 自動車RMグループ
役職名
グループ長
執筆者名
林田 顕 Ken Hayashida

2014年4月23日

自転車やマイカーによる通勤や、業務で使用する車両の管理に関するルール策定・改訂に関する相談が多くなってきている。

企業における通勤手段としては、マイカーが活用されていることがいまだに多いが、企業としての環境面での姿勢や取り組み、通勤者本人の健康管理を目的としたもの、燃料代の消費増税等による高騰など、マイカー以外の選択肢として自転車通勤を奨励している企業も多くなってきた。

一方、自転車の事故による高額賠償事例が、大きく報道されるようになった。

マイカー通勤中の事故について、企業責任が認められており、自転車による事故についても企業責任を認められる裁判例が出てきていることが、現行のルールを見直す大きな理由とのことであった。

また、企業における車両等の通勤ルールについては、定期的に見直しされていることが非常に少ないという実態であった。

具体的には、自転車や二輪車の通勤が実態としてあるにも関わらず、マイカーのみを適用範囲としていたり、正社員のみを対象にし、役員や非正規雇用者が除外されていたりするなど、現在の車両通勤の実態と、現行ルールとの間に大きな離が生じていることが多く見受けられた。

同様に会社業務で使用する車両に関する規程も定期的に見直されていないことも多い。一連の道路交通法等の改正などにおいて、使用者(企業)としての責任・義務が追加されたにも関わらず、規程の内容が旧法令のままであり、リニューアルされていない。社内ルールとして明文化されていなかったとしても、道路交通法違反として問われないということではなく、会社としては改正法に合わせてルールを見直し、周知徹底することが必要である。

たとえば、平成二十五年十二月一日に施行(平成二十五年六月十四日公布)された改正道路交通のうち、無免許運転者への車両提供や、無免許運転者が運転する車両に同乗した場合、刑事罰が問われるとする、規定が明文化された。

無免許運転とは、違反により運転免許の停止や取消し等の行政処分を受けている運転している場合だけでなく、有効期間中に運転免許更新を行わなかった、いわゆる「うっかり失効」中の運転も含まれる。企業の役職員が無免許運転に問われるケースのうち、注意すべき事項でもある。

多くの自動車運送事業者(貨物、バス、タクシー)では、点呼の際にアルコール(呼気)チェックとあわせて、運転免許証の現物チェックを実施しているが、運送事業者以外の企業では、日常的に運転免許証の現物確認をしていないケースが非常に多い。運転免許証は個人情報であるからという理由以外にも、管理者として日常的に確認するための時間を取ることができない、違反や免許の停止等は従業員からの報告ルールとなっている、などの理由で常時点検が行われていない実態となっている。

しかしながら、改正道路交通法の施行により、無免許の者への車両提供・同乗が禁止され、その取締りが行われることにより、結果として、道路交通法第七十五条違反として、企業(使用者)、安全運転管理者等に対する罰則が適用され易い環境が整った。

これらのことから、企業としても、自転車を含む通勤車両や、業務で使用する車両の管理に関する社内ルールの見直しが必要な時期に来ていると言える。

社内ルール見直しの時期については、少なくとも年に一度、もしくは道路交通法の改正に合わせて行うべきである。また、自社だけでなく、グループ会社や、協力会社にも呼びかけることも重要である。

以上

(2014年4月17日 三友新聞掲載記事を転載)

林田 顕 Ken Hayashida
氏名
林田 顕 Ken Hayashida
役職
大阪支店 自動車RMグループ グループ長
専門領域
交通事故防止コンサルティング