コンサルタントコラム

安全の基本「5S活動」について

所属
コンサルティング第三部 リスクエンジニアリング第二グループ
役職名
主任コンサルタント
執筆者名
尾池 吉保 Yoshiyasu Oike

2011年11月10日

弊社では、これまで工場をはじめ、商業施設、ホテル、事務所ビルといった様々な施設でリスクサーベイを実施しております。このリスクサーベイでは、現地調査を踏まえ主に火災リスクおよび自然災害リスクを中心に評価をし、さらに、リスク低減のための改善提案をご提示することにより、各社のリスク対策の強化をご支援させていただいております。

具体的にはお客様の施設にお伺いし、ご担当者様から施設の概要や用途、各種管理状況等をヒアリングし、実際に施設内を回ってリスクの状況を精査します。筆者が特に本業務を通じて感じていることは各施設によって整理整頓の状況が様々であることです。きれいに整理整頓されている施設もあれば、あまり気を使われていない施設もあります。

整理整頓をはじめとする活動に5S活動があります。従来、製造業において生産性の向上や労働安全に効果があるとして3S活動が取り組まれてきました。3Sとは「整理」、「整頓」、「清掃」のことをいい、5Sはそれに「清潔」、「躾(しつけ)」を加えたものです。最近では更にこれに「作法」、「セイフティ」、「サービス」、「スマイル」等を加えて6Sや7S活動として取り組んでいる企業もあります。現在、これらの活動は製造業にとどまらず、業務の効率化、安全の確保、サービスの向上、モラルの向上等を目的として、あらゆる業種で取り組まれています。

5S活動はリスク対策の上でも非常に重要なことです。例えば、整理・整頓・清掃を徹底し清潔に保つことは、作業場での滑りや躓きによる転倒事故の防止や避難経路の確保に繋がります。また、躾の観点としては、危険物の取扱基準等が守られないと、ケガや火災といった危険に繋がります。5S活動とは、労働災害や火災等に繋がる危険の芽を摘む活動でもあり、安全の基本となるものであると筆者は考えます。しかしながら、現地調査にて各施設を回ると、表面上は整理整頓されていてもバックヤードが煩雑であったり、物を置かないように注意の掲示等があっても守られていないケースもあり、現状では5Sが出来ていないところも少なくはありません。

5S活動は現場の協力と意識改革がなければ実行できません。経営トップから働く人すべてが参加できる活動であり、経営トップ自らが率先して活動することが重要です。組織的に活動するためには、チェックシートで管理を行い、チェック項目についても定期的に評価改善をするといったPDCAサイクルを回して継続的に活動をする仕組み作りも大切です。また、写真を使って現状やあるべき姿等を「見える化」したり、努力結果を企業として認めるシステム(表彰制度)を構築したりすると効果的です。

今年は産業安全運動創始の年からちょうど100年目の記念の年です。安全の基本に立ち返り、5S活動の推進ならびに強化をされることを願って止みません。

以上

(2011年11月3日 三友新聞掲載記事を転載)

尾池 吉保 Yoshiyasu Oike
氏名
尾池 吉保 Yoshiyasu Oike
役職
コンサルティング第三部 リスクエンジニアリング第二グループ 主任コンサルタント
専門領域
火災リスク、自然災害リスク(地震、水災他)