コンサルタントコラム

インドネシアの地震リスク

役職名
インターリスク・アジア ディレクター
執筆者名
鈴木 哲 Satoru Suzuki

2009年12月10日

2.2億人の人口による市場拡大を背景に、自動車・二輪車関連、鉄鋼製品、エネルギーや生活関連消費財(化粧品、衛生用品)を中心とした日本からの投資が増大しているインドネシアは地震大国です。ここでは同国の地震リスクを概観します。

インドネシアは赤道直下に位置する島嶼国家であり、東西が非常に長く5,120km、南北は1,760kmです。国土面積は1,922,570km2(日本の約5.1倍)で、大小さまざま約18,000の島々から構成されていますが、人が居住しているのは約6,000の島々といわれています。人口の半分以上は首都ジャカルタのあるジャワ島に集中しており、カリマンタン島やニューギニア島の人口密度は小さい状況となっています。

インドネシア周辺は地球上で最も地震活動が活発なエリアのひとつといえ、南側に東西3,000kmにおよぶスンダ火山帯があり、オーストラリアプレートが北側のユーラシアプレートの下に沈み込むプレート活動の結果、作り上げられたものです。またスラウェシ島北東の火山帯エリアには多くの小さいプレートが南北に走っており、複雑かつ激しいプレート活動がみられます。活火山と休火山の数も非常に多く、記録に残っている火山の噴火は76にのぼり、環太平洋火山帯の一部を構成しています。

2004年12月26日7:58にスマトラ島北西沖160kmを震源域として発生した大地震はインド洋全域にわたる大津波を引き起こし、死者22万人以上、負傷者13万人以上の甚大な被害となりました。

2006年5月26日5:54にジャワ島東部ジョグジャカルタ市付近で発生した大地震は震源が12kmと浅い直下型で、ジャワ島中部を南北に走る活断層が原因と考えられています。死者5,000人以上、負傷者20,000以上が発生しました。

2009年9月2日14:55にジャワ島西部で発生した地震の震源の深さは46km、首都ジャカルタでも揺れを感じ、事務所ビルからは避難する従業員が数多く見られました。震動による地すべりが発生し、犠牲者や被害が増加する結果となりました。

2009年9月30日17:16にスマトラ島中部・パダン市の沖合で発生した地震の震源の深さは81km、インドネシアだけでなく、マレーシア、シンガポール、タイでも揺れを感じました。2,650棟以上の建物が損壊し、下敷きになった人々が多く、犠牲者は数百人といわれています。

なお、世界の地震発生状況については、アメリカ地質調査所・地震プログラム(USGS: U.S. Geological Survey, Earthquake Hazard Program:英文)が有効です(HPアドレス:http://earthquake.usgs.gov/)。

海外で発生した災害は「対岸の火事」と考えがちですが、日本企業の海外シフトが進み、サプライチェーンも国際化している現在、各国の災害リスクについても正確かつ迅速に情報を収集し、適切に対処することが求められています。

以上

(2009年12月3日 三友新聞掲載記事を転載)

氏名
鈴木 哲 Satoru Suzuki
役職
インターリスク・アジア ディレクター
専門領域
東南アジア地域における製造業の防災活動支援、在シンガポールのキャプティブマネジメント