コンサルタントコラム

CSR取り組みにおける地球温暖化対策の位置づけを考える

役職名
コンサルティング第一部 製品安全・環境チーム 上席コンサルタント
執筆者名
根本 和昌 Kazumasa Nemoto

企業にとってのCSR課題は何であろうか?法遵守、雇用問題、色々あるだろう。CSRの考え方は日々進歩し、CSRに取り組む組織の活動も日々進展している。そんな中で、筆者が主に担当している環境分野の中でも喫緊の問題となっている地球温暖化を今回取り上げる。

現在、人類最大の脅威は、地球温暖化による生活環境・生態系への悪影響の加速化である。地球温暖化による影響を経済面で評価したスターンレビューによると、気候変動による損失は、世界のGDP総計の5%~最大20%に達するのに対し、温室効果ガスの排出抑制コストは世界のGDP総計の1%にとどまるとされており、地球温暖化対策は経済面でプラスであるといえる。また、基本的人権である生存権を異常気象の脅威から守ると言う意味で、地球温暖化対策は社会面でも、環境面でもプラスであるといえ、CSRの基盤であるトリプルボトムラインの経済・社会・環境全てに影響する地球温暖化対策は、今一番本気で取り組まなければならない課題であるといえる。

企業のCSR取り組みを見てみると、テーマが多すぎてパワーが分散してしまっていたり、不祥事対策のための法遵守など企業の持続可能性の追求に主軸を置く中で、目先の短期的なものに偏りがちで、地球温暖化対策は後手に回るなどしてまだ十分とはいえないケースが多々見受けられ、その重要性について再検討が必要である。

早いもので京都議定書の約束期間の入り口である2008年がすぐそこまでやってきている。国内企業の地球温暖化対策は現在、日本経団連を中心に業界ごとに自主取組計画にて進めており一定の成果を上げているが、基準年比6%削減の達成はまだ見込みが薄い。そんな中で今年度、省エネ法が改正され、温室効果ガス排出が基準年比で大幅に増加している輸送事業者や、住宅分野等を対象に加え、またエネルギー管理指定工場の対象範囲も実質的に広げたことで、対象事業者の範囲は大幅に増える。対象事業者が自主的に設定する省エネ目標の達成は努力義務ではあるが、取り組みが著しく不十分な場合は企業名が公表されることも考慮して、新たに対象となる企業は責任をもって、エネルギー管理者(員)や推進役に権限とインセンティブを与え、積極的に地球温暖化対策を進めることが求められている。

これから、地球温暖化に関連する法規制は益々、厳しくなると予想されることから、企業としては地球温暖化対策をCSRの最重要課題と認識して取り組むことが必要ではないかと考える。

以上

氏名
根本 和昌 Kazumasa Nemoto
役職
コンサルティング第一部 製品安全・環境チーム 上席コンサルタント
専門領域
廃棄物関連コンサルティング、ISO14001環境コンサルティング
資格
ISO14001環境審査員補、エネルギー管理員(熱・電気管理)