リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / 労災リスク・インフォメーション

2017.3.1

健康経営―未来を創るため、できることからはじめよう―

1.はじめに

「健康経営」とは、従業員の健康を「経営資源」ととらえ、社員の健康管理や健康改善のための取組や投資を行い、従業員の健康保持改善を行うことによって、企業としての生産性の向上につなげる経営戦略を言う。いうなれば、経営面・人材面の両面から「企業の明るい未来を創る」ための戦略である。日本では大企業を中心に10年ほど前から取り組みが始まっている。最近ではCSRを重視する社会風潮や、労働人口の高年齢化や不規則な勤務形態などで健康上の問題を抱える従業員が増加していることを背景に、健康経営に対する社会的な関心が高まってきている。しかし一方で従業員の健康に対する高い問題意識を持ちながらも、費用面や人手の問題で実践に踏み切れない企業や、あるいは、経営上の理由から、健康経営自体に関心を向けることが難しい企業が少なからず存在していることも、また事実である。

本稿では次の二点をお伝えしたい。一点目は労働者が現状において抱えている健康上の問題点を通して、企業として従業員の健康促進に関わることの意義について、二点目は健康経営に実際に取り組んでいる企業の事例を通じて、費用や人手をかけずとも健康経営を実践することが可能であるということである。本稿が、企業の明るい未来を創るための一助として参考となれば幸いである。

2.労働者の健康問題

「健康」とは、単に病気でないとか、弱っていないということではない。

労災リスク・インフォメーション

労働安全衛生に関する情報(災害事例、法改正等)について紹介しています。
(A4 年4回発行)