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リスク情報・レポート / CSR・ERMトピックス

2017.8.1

CSR・ERMトピックス<2017 No.5>

国内トピックス2017年5~6月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<ステークホルダーエンゲージメント>
経済産業省が「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス」を公表

(参考情報:2017年5月29日付 同省HP)

経済産業省は5月29日、企業と投資家の長期経営を促す指針として「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス‐ESG・非財務情報と無形資産投資‐」を取りまとめた。

近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)や無形資産投資(人材や技術、顧客基盤等、財務諸表に表れない資産への投資)への機関投資家の注目が高まる一方で、ESG等の取組を短期的には利益を押し下げる要因と捉え、情報開示が消極的な企業が散見され、このことが企業と投資家の長期的な投資判断や建設的な対話を損なっている可能性があった。

<地球環境・地域貢献>
東京ガス、新環境活動「森里海つなぐプロジェクト」を開始

(参考情報:2017年5月31日付 同社プレスリリース)

東京ガスは5月31日、新たな環境・社会貢献活動として「森里海つなぐプロジェクト」を開始することを発表した。

同プロジェクトは、「森」「里」「海」それぞれにおける取組を、関東を流れる川の上流から下流までの軸でとらえていることが特徴。各地域のステークホルダー間のつながりを育てていくことによって、気候変動対策のみならず生物多様性の保全や地域の活性化など様々な効果を生むことを目指している。

<コンプライアンス>
国税庁が「移転価格ガイドブック」を公表

(参考情報:2017年6月9日付 同庁HP)

国税庁は6月9日、「移転価格ガイドブック」を公表した。

同ガイドブックは、移転価格等の国際課税への関心の高まり、企業のグローバルな国際展開、BEPSプロジェクト*の進展、移転価格文書化制度(独立企業間価格の算定根拠となる文書の作成・保存を納税者である企業に義務付ける制度)を背景に策定されたもの。移転価格調査は一般の税務調査よりも長期間にわたることが多く、納税者である企業にとって負担が大きいだけでなく、二国間の二重課税が生じた場合の解消は税務当局にとっても大きな負担となっている。同庁は、移転価格税制上の適切さを企業自ら検証するなど企業における税務コンプライアンス向上に資するものとして同ガイドブックを公表した。

海外トピックス2017年4~6月に公開された海外のCSR・ERMに関する主な動向をご紹介します。

<人権>
NGOのFashion Revolutionがファッション業界100ブランドの透明度指標と評価結果を発表

(参考情報:2017年4月、Fashion Revolution発行の「Fashion Transparency Index」)

ファッション業界の改革を目指すNGO、Fashion Revolutionは、自身のレポート(Fashion Transparency Index 2017)で、業界のトップ100ブランドの経営の透明度を以下のような独自の基準で評価した。

100ブランドには、アディダス、ギャップなどが含まれており、日本のブランドではユニクロ、アシックスが対象となっている。

スコアリングの結果は、250点満点のところ、平均点が49点(満点の20%)とこれらブランドの透明度は総じて低く、まだ改善の余地が大いにあるとしている。

<CSR>
英国規格協会(BSI)と持続可能な開発のための経済人会議(WBCSD)が「サーキュラー・エコノミー」推進ツールを相次いでリリース

(参考情報:2017年6月1日付BSI HP、同5日付WBCSD HP)

英国規格協会(BSI)と持続可能な開発のための経済人会議(WBCSD)は6月、資源の有効利用や再利用・再生利用などを促進することで、資源の浪費の最小化や環境負荷を低減した経済の実現を目指す「サーキュラー・エコノミー」の推進に向け、企業の実践をサポートするツールを相次いでリリースした。

BSIがリリースしたのは、「BS 8001:2017: Framework for implementing the principles of the circular economy in organizations(組織のおけるサーキュラー・エコノミーの原則を実践するためのフレームワーク)」。

<強制労働>
EICCが「責任ある労働のためのイニシアチブ」を設立

(参考情報:2017年6月26日付同団体 HP)

EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)は6月26日、強制労働の撲滅を目指すことを目的とした「責任ある労働のためのイニシアチブ(Responsible Labor Initiative)」(以下、「RLI」)の設立を公表した。

EICCは電子業界のサプライチェーンにおけるCSR活動を推進するために、これまでも「労働」「安全衛生」「環境保全」「管理の仕組み」「倫理」の5つの側面について「EICC 行動規範」を定め、それぞれの側面について加盟企業・団体に対して、監査を実施する際の基準を設けている。

<気候変動>
金融安定化理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が最終報告書を発表

(参考情報:2017年6月29日付 金融安定化理事会プレスリリース、2017年7月8日付 G20気候及びエネルギー行動計画、7月11日付 国連環境計画プレスリリース)

6月29日、金融安定化理事会(FSB)が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、最終報告書を公表した。FSBは2015年12月にTCFDを設立し、企業が金融市場に対して、気候変動に関連する財務リスクを自主的かつ一貫した情報開示を行うための提言集の作成に取組んでいた。なお、7月8日に閉幕したG20ハンブルグサミットの合意文書においても、最終報告書が完成したことが盛り込まれた。

CSR・ERMトピックス

CSR、ERM、内部統制、コンプライアンス等の関連テーマについて、国内外の動向や企業の抱える疑問などについて紹介・コメントしています。
(A4数枚、毎月発行)