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リスク情報・レポート / CSR・ERMトピックス

2017.5.1

CSR・ERMトピックス<2017 No.2>

国内トピックス2017年3月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<働き方改革>
厚生労働省が、第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」の受賞企業を発表

(参考情報:2017年3月3日 同省HP、働きやすく生産性の高い職場のためのポータルサイト)

厚生労働省は3月3日、第一回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」受賞企業を発表した。

本制度は、企業における生産性向上と雇用管理改善の両立の取組を促進するため、他の模範となるような優良な取組を行っている企業等を表彰するために創設されたもの。全国144件の応募のうち、受賞した企業は以下の通り。

また、同省は「働きやすく生産性の高い職場のためのポータルサイト」を開設した。本サイトでは、企業の規模や業種などを指定して企業の取組事例を検索することが可能で、自社と類似の企業の取組等を参照することができる。

<気候変動>
環境省、長期低炭素ビジョンを公表

(参考情報:2017年3月16日付 同省HP)

環境省は3月16日、「長期低炭素ビジョン」を公表した。すでに日本は「地球温暖化対策計画」(2016年5月13日閣議決定)において、「パリ協定を踏まえ、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガス(GHG)の排出削減を目指す」としており、本ビジョンはそれを前提に今後の政策の方向を示したものである。

本ビジョンでは、日本の炭素生産性(GHG排出量あたりのGDP)は90年代ではトップクラスであったものの、近年は他の先進国と比較して低迷していることを指摘した上で、長期の大幅なGHG排出量削減のためには、経済・社会システム、技術、ライフスタイルのイノベーションが重要であると結論づけた。そのために、カーボン・プライシング(炭素の価格付け)の導入によって、イノベーションを促す市場環境を整備することを提言している。

<CG>
経済産業省が「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」を公表

(参考情報:2017年3月31日 同省HP)

経済産業省は3月31日、企業が実効的なコーポレートガバナンスの取組を行う上で、具体的に検討すべき事項や取り組むべき事項を提言する「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」を公表した。

CGSガイドラインは、「コーポレートガバナンス・コード」(2015年策定)の主要な原則を実践する上で企業が具体的に検討すべき事項を、同コードを補完する形でまとめている。

海外トピックス2017年3月に公開された海外のCSR・ERMに関する主な動向をご紹介します。

<女性活躍>
国際労働機関(ILO)が、女性の就労に関する意識調査の結果を発表

(参考情報:2017年3月8日付 国際労働機関HP)

国際労働機関(ILO)が3月8日、各国で実施した女性の就労に関する意識調査*の結果を発表した。それによると、日本国内では、家庭を持つ女性が働くことについて、男女のいずれも9割以上が肯定的に考えていることが分かった。また、家庭を持つ女性が働く際の最も大きな障害を問う質問では、「公的支援の不十分さ」や「硬直的な雇用慣行」といった社会的な問題が女性の就労を阻害している現状がうかがえる結果となった。

<SDGs>
世界銀行が、世界初のSDGs達成推進企業の業績に連動した債券を発行

(参考情報:2017年3月9日付 同行HP)

世界銀行(国際復興開発銀行(IBRD)は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現を推進する企業の業績に連動した債券を世界で初めて発行した。

本債券の利率は、ドイツの指数提供会社であるSolactive 社の「Solactive Sustainable Development Goals World Index(Solactive SDG 世界株価指数)」を構成する企業の株価と直接連動している。指数を構成する企業は、Solactive社がVigeo Eiris社*の開発した基準をもとに、その他の要素も考慮して最終決定する。

<人権>
Corporate Human Rights Benchmarkが、パイロット版ベンチマーキングの結果を公表

(参考情報:2017年3月13日付 同団体HP)

Corporate Human Rights Benchmark*(以下、「CHRB」)が、3月13日、パイロット版ベンチマークを用いたベンチマーキング結果に関するレポートを公表した。

本取組は、グローバル企業における人権課題への取組をスコア付けして公表する初の試み。対象企業は、人権に関するリスクが高いとされる農業、アパレル、採掘の3業種、合計98社。(評価手法の概要については、CSR・ERMトピックス(2016年度第4号)を参照)

<ジェンダー>
国連グローバル・コンパクトが性差に関する諸問題改善に向けた取組の実態を分析するツールを公表

(参考情報:2017年3月15日付 国連グローバル・コンパクトHP)

国連グローバル・コンパクトは3月15日、性差に関する諸問題改善に向けて「女性のエンパワーメント原則」*に関する取組の到達度合を分析するオンラインツール"WEPs Gender Gap Analysis Tool"を公表した。

本ツールは、国連グローバル・コンパクト、国連女性機関、多数国間投資基金、米州開発銀行、米州投資公社が、世界の 170以上の企業からの助言を得て構築したものであり、企業は以下のような目的で使用することができる。

ESGリスクトピックス(旧:CSR・ERMトピックス)

国内外における主なトピックスを、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)ごとに紹介しています。
(A4数枚、毎月発行)