レポート

2017年度 No.7「スプリンクラー設備の設置および維持に関する基準」

2018.3.1

本号の概要

  • スプリンクラー設備は、火災の初期消火に最も効果的な消防設備の一種である。その設置や日常のメンテナンスは、火災の初期消火の成功と直接的な関わりがある。
  • 本号では、スプリンクラー設備の設置や維持に関する基準、および実際の防災調査の現場でよく見られる問題について紹介する。
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1. スプリンクラー設備の概要

(1)スプリンクラー設備の種類

スプリンクラー設備には、スプリンクラーヘッド(以下、ヘッドという。)が常時開いているタイプと閉じているタイプがある。工場や倉庫で一般的に見られるのは後者であり、閉鎖型スプリンクラー設備と呼ばれている。閉鎖型スプリンクラー設備は、図1の通り、湿式、乾式、予作動式の3つに分類される。

①湿式
湿式は、配管が常時充水かつ加圧されており、火災が起きた場合、ヘッドが作動温度に達すると開放し放水する方式のスプリンクラー設備である。湿式は、中国で最も広範囲に使われている設備である。

②乾式
乾式は、配管に常時圧縮空気が入っており、火災が起きた場合、ヘッドが作動温度に達すると開放し、空気を排出した後に放水を行う方式のスプリンクラー設備である。

③予作動式
ヘッドとは別に、防護する対象部に熱、煙あるいは炎を検出する火災感知器が設けられている。配管には常時圧縮空気が入っており、火災が起きた場合、ヘッドが作動温度に達するのに加え、火災感知器が作動すると排気、放水を行う方式の設備である。

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