リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / 中国風険消息<中国関連リスク情報>

2017.4

汎珠江デルタ地域における風水災リスク

広東省を中心とする汎珠江デルタ地域(ここでは広東省、福建省、江西省、湖南省、広西チワン族自治区を指す。以下同じ)は、その地理的特性から、過去より豪雨や台風を中心とした風水災リスクが大きい地域であり、近年における自然災害の巨災化や都市化の進展と相まって、リスクはより深刻になりつつあるといえる。本稿では、同地域における風水災リスクについて、最新の情報・データを交えながら、現状やその背景などを明らかにするとともに、各省における現在の水災対策の取り組みを紹介する。

1.汎珠江デルタ地域の風水災リスク

(1)汎珠江デルタ地域における気候的な特徴

汎珠江デルタ地域は、その大部分が温暖湿潤気候に属しており、年間を通じて降雨量が多いこと、また年前半の4月~6月の雨量が比較的多いことが特徴として挙げられる。ちなみに広東省の省都である広州市の場合、2014年の1年間で最多降水量を記録した月は5月であり、月間降雨量は542.9mmで、年間降雨量の実に1/4がこの月に集中している。

(2)汎珠江デルタ地域における風水害の被災状況

①全般
表2は自然災害のうち「洪水・土砂崩れ・土石流・台風」による農地の被災状況を省別で整理したものであるが、汎珠江デルタ地域5省の合計で中国全体の約半分の割合を占めており、同地域における風水災リスクの深刻さを物語っているといえる。

中国風険消息<中国関連リスク情報>

中国に拠点をお持ちの企業や中国の駐在員の方々向けにお届けするリスク情報誌です。
(A4数枚、不定期発行)