リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / BCMニュース

2016.4

「部門BCP」に関する見直しの仕組み構築について

1. はじめに

当社が最近実施した「第7回 事業継続マネジメント(BCM)に関する日本企業の実態調査」※によると、上場企業におけるBCP策定率は、前回調査(2012年)から10%増の約55%となっており、BCPを策定する企業は確実に増えている。一方、BCP策定済企業の年1回以上の訓練実施率は、前回から横ばいの約22%に過ぎず、企業における「BCPの見直し」に関する取り組みはまだまだ進んでいない。

この「BCPの見直し」の中でも、特に、「企業の各部門が自部門に関連する課題・対策や手順などを整理した文書(以後、「部門BCP」とよぶ)の見直しは、不十分あるいは形式的だといえるのではないだろうか。たとえば、部門BCPの見直しは、通常、BCPの統括部門が各部門に見直しの指示を出し、各部門が見直しを実施した上で、統括部門に結果を報告するという「仕組み」で実施されるが、そもそもこの「仕組み」自体が構築できていない企業が多い。また、この「仕組み」を構築できていたとしても、各部門からは、形式的に「問題なし」と回答があるだけで、実は見直しが実施されていないというケースも散見される。

本稿では、この部門BCPの見直しに焦点をあてて、当社で開発したモデル~「対話型演習」を組み込んだ部門BCPに関する見直しの仕組み~について紹介する。

上記報告書はMS&ADインターリスク総研のホームページで公開
URL:https://www.irric.co.jp/pdf/reason/research/bcm/bcm_7.pdf( PDF:337KB)

2. モデル全体像

前記モデル~「対話型演習」を組み込んだ部門BCPに関する見直しの仕組み~の全体像は以下の図表1のとおりである。

BCPの統括部門が各部門に見直しの指示を出し、各部門が見直しを実施した上で、統括部門に結果を報告するという通常の「仕組み」をベースにしているが、各部門における見直しフローに「対話型演習」という演習を組み込んでいる点が最大の特徴である。

BCMニュース

BCMの最新動向や実務上の重要な事項等についてまとめたニュース資料です。
(A4数枚、不定期発行)