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2014.11.4

水災対策BCPとその作成のポイント

はじめに

近年、局地的な大雨の発生頻度が高まり、水災の被害規模も大きくなってきている中、企業における水災対策構築の必要性が一層高まっている。一方、「水災リスク評価」を河川氾濫のみならず局地的な大雨まで想定している企業は少なく、また、「水災対策」として事業継続計画(BCP)まで整備できている企業も少ないのが現状である。

本稿では、今後、地球温暖化に起因する気温上昇によって、ますます局地的に強い雨が降る可能性が高まると指摘される中で、「水災対策BCP」作成時に検討すべきポイントについて解説する。

1. 局地的な大雨の増加

気象庁では1時間に50mm以上80mm未満の雨を「非常に激しい雨」、80mm以上の雨を「猛烈な雨」と表現しており、図1に、それぞれの年間観測回数の変化を表す。1976~2013年の間で、1時間降水量50mm以上の雨は10年当たり21.5回増加、80mm以上の雨は、10年当たり2.3回の増加傾向が明瞭に現れている。将来的には、豪雨日数、降雨量ともに増加が予想される。

2. 水災による人的被害と物的被害

表1に平成26年(2014年)に発生した大規模な水災事例とその被害状況を一覧化したものを示す。人的被害として、死者が数名、負傷者が数十名発生する災害も少なくない。また、物的被害として、床上・床下浸水も数百棟~数千棟しており、これらを企業に置き換えると、キーパーソンとなる従業員が負傷、死亡し、重要業務が停止する、あるいは浸水により機械・設備が長期間停止することにより、重要事業が停止する等のリスクが考えられる。

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