リスク情報・レポート

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2017.11.14

地震予知を前提としない南海トラフ地震対策の方向性

1. はじめに

平成29年9月26日、中央防災会議・防災対策実行会議が開催され「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」(以下「WG」という。)の検討結果が報告された。WGの検討結果では、1978年に制定された大規模地震対策特別措置法(大震法)で前提となっている地震の直前予知は現時点で困難と結論づけ、そのうえで南海トラフ沿いでの最初の事象後の対応を盛り込んでいる。このWGの報告と防災対策実行会議を踏まえ、南海トラフ地震に対する新たな防災対策が定められるまで当面の間、気象庁は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表し、当該情報が発表された場合、内閣府防災担当が関係省庁の職員を招集し関係省庁災害警戒会議を開催することになった。(11/1から運用開始)

本稿では、上記WGの検討結果が整理された報告書「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応のあり方について」(以下「WG報告書」という)、ならびに気象庁で発表される「南海トラフ地震に関連する情報」の内容を解説するとともに、当該情報が発表された際の企業の対応等について考察したい。

2. WG報告書の内容

(1) 大震法に基づく防災対応の取扱い

大震法に基づく現行の防災対策は、以下のように、確度の高い地震予知を前提に東海地震の「地震防災対策強化地域」内の各主体である自らが防災対策を実施するものであったが(図1、図2)、WG報告書では、現在の科学的知見では2~3日以内に発生する確度の高い地震の予想はできないことから、「改める必要がある」としている。

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(A4数枚、不定期発行)