レポート

第34号「貨物自動車(トラック)の荷役作業における労働災害防止措置の強化について」

2024.2.1

要旨

  • 荷役作業時における労働災害では、トラックからの墜落・転落が7割を占めており、墜落・転落災害防止の対策の強化のため、2023年3月に労働安全衛生規則(以下、安衛則)が改正された。
  • 上記の主な内容は、「昇降設備の設置と保護帽の着用義務の範囲拡大」と「テールゲートリフターによる荷役作業についての特別教育義務化」である。
  • この記事では改正の内容や運送事業者として対応すべきポイントを解説する。

1.労働安全衛生規則等改正の背景

令和4年(2023年)の陸上貨物運送業における死傷者数は16,580名であり、うち死亡者数が90名であった。労働災害の事故の型で見ると、死傷災害のうち最も多いのが墜落・転落災害であり、特に荷役作業時における労働災害では、約7割が貨物自動車(トラック)からの墜落・転落災害であった。こうした墜落・転落災害を防止するため、安衛則では最大積載量5トン以上の貨物自動車(トラック)を対象に、昇降設備の設置(安衛則第151条の67)や保護帽の着用(安衛則第151条の74)が義務付けられていた。

しかし、トラックから墜落・転落災害の現状およびテールゲートリフターの労働災害の現状を踏まえ(表1)、さらなる荷役作業時の墜落・転落防止対策を図ることを目的として、安衛則の一部が改正され、貨物自動車(トラック)の荷役作業における労働災害防止措置の強化については、2023年10月1日(テールゲートリフターによる荷役作業の特別教育義務化は2024年2月1日)に施行された。

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