レポート

第27号「ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)を理解するためのポイント」

2018.7.1

要旨

  • 「労働安全衛生」分野では初の国際規格ISO45001(労働安全マネジメントシステム)が2018年3月12日に発行された。
  • ISO45001は全10章で構成され、PDCAサイクルの計画(Plan)は6章、実行(Do)は7章と8章、評価(Check)は9章、改善(Act)は10章にそれぞれ記載されている。
  • ISO45001導入に必要な取組み例を紹介しているので、仕組みづくりに参考いただきたい。

1.労働災害の現状

日本における労働災害の死亡者数は1960年代に6,000人を超えていたが、2017年には死亡者数978人とピーク時に比べて大幅な減少となっている。しかしながら、(1)近年は死亡者数の減少傾向にかげりが みられること、(2)減少傾向にあった休業4日以上の死傷者数は、2009年は105,718人であり、以降増加傾向にあること、(3)イギリスやドイツなどの先進国と比べると度数率(100万延べ労働時間当たりの労働災害による死亡者数)が高いことなど、日本における労働安全衛生には課題が残っているのが現状である。

欧米や日本では、1970年代に本格的な労働安全衛生に関する法律が制定された。日本においては、1972年に労働安全衛生法が施行され、施行後の4年間で労働災害による死亡者数は5,631人(1972年)から3,345人(1976年)まで急減している。

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