レポート

第57号「危険物を取り扱う製造事業所における災害防止のための取り組みについて」

2014.6.1

1. はじめに

5月16日、内閣官房、総務省消防庁、経済産業省、厚生労働省の4者連名により「石油コンビナート等における災害防止対策の推進について」と題し、重大事故の発生防止に向けて事業者や業界団体、国や地方公共団体等の関係機関が取り組むべき事項等について報告書が取りまとめられ、関係業界団体及び都道府県に要請された。

これは、近年増加傾向にある石油コンビナート施設や危険物施設、高圧ガス施設等での事故に関してその背景を分析し、企業、事業所及び関連各機関でとるべき対策について考察するため、内閣官房が主導となり、総務省消防庁、経済産業省、厚生労働省が参加して今年2月に設置された「石油コンビナート等における災害対策検討関係省庁連絡会議」にて取りまとめられたものである。

しかし、報告書の中で触れられている災害の背景や取組むべき課題については石油コンビナート等の事業所に限らず、危険物を取り扱う他の多くの製造事業所でも参考になる事項が多く盛り込まれている。

本稿では、本報告書の内容から特に企業、事業所で今後講ずべき対策を中心に概説するとともに、その具体的な対策を組織内に定着させるための取り組み手法「安全管理システム(SafetyManagement System)」のポイントについて解説する。

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