レポート

2017年度 No.4「東南アジア地域の都市化と水質汚濁 」

2017.12.1

本号は、東南アジア地域で進む都市化と水質汚濁の概要について、一般に公開されているデータと資料を踏まえ、東南アジア地域での事業活動及び生活の参考にして頂くことを目的として作成したものです。

1.はじめに

東南アジア地域では各地で都市化が急速に進んでいます。都市化の進展は経済活動を効率化、活発化させる効果がある一方で、慢性的な交通渋滞や工場や自動車の排気による大気汚染、河川の水質汚濁などの環境汚染も引き起こしています。

2.都市人口の急速な増加

【図1】に示す1960年から2016年までの世界の都市人口の推移を見ると、中所得国の都市人口が大幅に増加していることが分かります。所得水準別で総人口及び都市人口の割合の推移を【図2】【図3】【表1】【表2】で見ると、中所得国の総人口が世界全体の70%以上を占めていること、都市人口の割合は全所得国とも増加しており、その中で中所得国の都市人口の割合は1960年の24.5%から2016年に51.4%と2倍以上増加していることが分かります。

中所得国で都市人口が増加している要因として、総人口の増加、農村部から都市部への人口流入と都市部(地域)の拡大などが考えられます。

ASEAN加盟国のうち、シンガポールとブルネイを除く8ヵ国は中所得国であり(【表3】参照)、【図4】で都市人口の推移を見ると、特にインドネシアの都市人口が急速に増加していることが分かります。

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